Part①:「キレイ好き」は不調の原因?!
あなたはキレイ好きですか?それとも、汚れていてもそれほど気にしないタイプでしょうか?
一般的に、キレイ好きとは「几帳面で部屋をキレイに保ち、清潔である」ということで、良いとされていますよね?
ですが、そのキレイ好きこそが腸内細菌を苦しめているという事がわかってきたんです。これを聞いてビックリした人もいるでしょう。「病気にならないためにも、しっかりと除菌をしてキレイな環境を保つということが重要だ!」と、私たちは教えられてきましたよね?
しかし、「キレイ好きこそが、私たちの全ての不調の原因」のようなんです。以前の記事『「1日3食」が全ての不調の原因だった!・・・』で、体の不調の原因についてお伝えたしましたが、今回はキレイ好きの『常識』を真っ向否定した点からお伝えしたいと思います。
近年急増する「アレルギー」疾患と「キレイ社会」の関係とは?
花粉症をはじめとした何かしらのアレルギーに悩まされている人は、結構多いのではないでしょうか?
現在、先進国ではアレルギーがどんどん増えており、厚生労働省によると、現在日本人の3人に1人が、何かしらのアレルギー症状を持っているという報告があります。
我が国は、便利で衛生的な環境が整備されていて、いつでも栄養のある食べ物が手に入るにも関わらず、なぜこのようにアレルギー疾患が爆発的に増えてきているのでしょうか?
<原因その1>多様な細菌と接する機会が減った
先進国でアレルギー疾患が急激に増加している原因は、乳幼児期の感染機会の減少だという説があります。
ひと昔前は、家畜を飼い、外で作業をするなどの生活様式が普通でしたが、現在では、そのような機会は激減しました。加えて、頻繁な抗生物質の使用や、抗菌剤の乱用により、乳幼児期に多様な細菌と接する機会が減っているんです。それと反比例するように、アレルギー疾患が急増したというわけです。
<原因その2>「腸内細菌」の数や種類が減った
さらに、アレルギー疾患増加の原因として、腸内細菌の数や種類の減少も挙げられます。特に、日本人の腸内細菌の数は、戦前と比べると1/3くらいに減少しています。
その理由は、野菜などの食物繊維の摂取量が減っているからです。食物繊維をエサにしている腸内細菌が減少し、それに伴い免疫力も低下し、さらに免疫のバランスも崩れてしまうため、アレルギー疾患が増えると考えられます。
日本人は世界一清潔だが、世界一アレルギーで苦しむ民族
原因は色々と考えられますが、私たちの体を守ってくれている皮膚常在菌や腸内細菌などの「微生物」を汚いものとして排除し、安全と効率を求めて快適な環境を追求し過ぎたことが、アレルギー疾患の増大を招いた最大の原因ではないでしょうか?
その結果、日本人は世界一清潔だが、世界一アレルギーで苦しむ民族になってしまいました。自然との共生を断ち切った「キレイ社会」こそ、アレルギー病を多発させているわけなんです。
腸内環境から作る、私たちの健康
ここで、「腸」についてお話しします。
「腸内環境が健康にとって重要である」というのは、既にご存知の方もいらっしゃるでしょう。実際その通りで、「全ての病気は『腸』で始まる」と言われております。
人間の消化管の表面積は、約200㎡(テニスコートとほぼ同じ広さ)で、私たちを病気や汚染から守ってくれる重要な免疫のバリアとなり、私たちのカラダを健康な状態に保つため、腸は何兆個もの微生物と共生関係を維持しています。こうした微生物は、善玉菌・悪玉菌・日和見菌(基本的に流れに任せる中立的な菌)の混合で構成されます。
健康な人の「腸」の平均的な「菌」の混合率
85%:善玉菌と日和見菌
15%:悪玉菌
⇒この比率が、腸に良いバランスを生み出して、免疫システムがよく鍛えられます。
私たちの「腸」というのは、非常に働き者で、良くできています。健康的な免疫システムは、何かを口に入れるたびに、それが体に役立つ「栄養素?」「微生物?」「バクテリア?」「細菌?」なのか、それとも除去すべきものなのか?と区別し、善玉の通過を許して、悪玉を即排除します。
腸壁が弱まって異物が血液に漏れ出す「リーキーガット」
しかし、環境毒素、栄養不足の食生活、ストレス、投薬といった抑制が効かない状況に常時直面していると、この素晴らしい免疫システムは、時に圧倒され、防御能力を弱めてしまうんです。
まさに弱まった時、悪玉菌が動き出します。このトラブルメーカーである悪玉菌が、弱まった免疫力に乗じて中に入り込み、一旦、悪玉菌が足場を固めると、それは腸内環境を変えてしまいます。腸内に住んでいる善玉菌を追い出し、ビタミンの生成に関わる善玉菌の場所を奪い、腸壁の粘膜内に入り込み、腸内に穴を開けたり、腸内のphバランスを変えてしまいます。そして酵母菌の過剰増殖などを引き起こすんです。
その結果、腸のバリアの最も外側の層である上皮細胞が弱体化してきます。この腸壁が弱まってくるとこのバリアゲートが開き、長い間開いたままになってしまいます。そのため、毒素や雑菌そして未消化の食物粒子が直接血液に流れ込んでしまって体中を巡ってしまいます。
このように、腸漏れを起こしている状態を「リーキーガット」と言います。
「リーキーガット」の慢性化が引き起こす、恐ろしい病気
今日では、私たちのほとんどは、リーキーガットの状態を経験しています。ただ、そうとは気付いていないだけなんですね。
様々な菌が漏れ出てしまうと、免疫システムはそれを外敵とみなして、抗体を排除し、侵入者の効力を弱めようとします。それはそれでいいんですが、リーキーガット症状が慢性化してしまうと、そういった漏れ出した菌が有害になってくる可能性あります。
つまり、リーキーガット症状が、局所的で一時的な消化機能の悪化ではなく、全身の炎症反応となり、入ってくるすべてのものに対して、攻撃を仕掛けてしまい、生涯にわたる自己免疫症状を発症させてしまい、重大な症状であなたの健康に大きな被害を及ぼします。
恐ろしいことに、「アルツハイマー」「うつ病」「ADHD」など、幅広い病気との関連が確認されています。実際、「胆嚢の不調」「甲状腺疾患」「偏頭痛」「インスリン抵抗性」さらには、「繰り返される体重の増加」といった広範囲に及ぶ症状を抱えている患者のなんと約80%には、最初の初診時に何かしらのリーキーガット症状があるそうです。
私たちの生活は「リーキーガット」への『罠』だらけ
多くの人がこの恐ろしいリーキーガットを発症するリスクに晒されています。
ほとんどの人が、
・加工食品、添加物を食べる
・殺菌用石けんで手を洗い、何かとアルコール消毒をする
・汚れた、臭うなどで何にでも殺菌剤・消臭剤を吹きかける
・頭痛にはイブプロフェンを飲み、処方された抗生物質を飲む
・慢性的なストレス
・経口抗生物質の過剰投与
・伝統的な農業で使われる抗生物質
・台所用からハンドジェル、ジムのマットから鉛筆まで、至る所で使われている抗菌剤
・手に触れるバクテリアの99%を拭き取って殺そうと使ってきた抗菌石けん
これらを経験しています。
そのどれか1つでも腸はダメージを受けます。けれど、そのいくつかが組み合わされれば、ほとんど避けがたい確率でリーキーガットが発症してしまいます。
あなたは、今、何か体調不良を抱えていませんか?その体調不良が「腸」のせいであるという認識はありましたか?もしかしたら、それは、リーキーガットによる可能性が高いんです。
では、私たちはこの問題にどのように対処すればよいのでしょうか?
次の記事で、「リーキーガットにならないための解決策について」について解説いたします。
⇒ Part②:「キレイ好き」は不調の原因?! へ続きます。